孤独で潰された恋

 

ライルはアレルヤとケイが恋仲にあると思っていた。
アレルヤが救出されて以降、二人が甘ったるい空気を作っていたのを何度も見かけたし、時にはどちらか一方の部屋で夜を過ごすことも知っていた。
だからアレルヤがアロウズの女を連れて帰ってきたとき、彼女は怒るかショックを受けるかするだろう、そう思っていた。
けれど予想に反してケイは笑顔で女を迎え入れた。



「なぁ、あんた。あれで良かったのか?」
「へ? 何がですか?」
「アレルヤのこと、好きだったんじゃないのか」
「あ、そっか」
「は……?」
何かに気付いたような声をあげるケイだが、それが何のことかライルには全く分からない。
刹那から渡されたデータには個人のプライベートまで書かれていなかったし、ライル自身ソレスタルビーイングのメンバーのプライベートまで知りたいとも思わなかった。
「私が好きなのはアレルヤじゃないんです」
そう言って照れ笑いを浮かべた表情は、此処にはいない誰かを想っているようで淋しげに見えた。
その言葉の意味を理解できずライルは首を傾げる。
相手はそんな訝しむ視線をどう受け止めたのか、慌てて見当違いなことを付け足した。
「勿論アレルヤも恋愛とかじゃなかったら大好きですよ!」
でもそんなこと言ったらティエリアもフェルトもみんな好きだし、ロックオンも好きな方に入るや。なんて、失礼なことを言われながらも怒りは沸いてこなかった。
それより言葉の意味が気になった。
好きなのはアレルヤではないという。しかし、ならば今までの行動は一体何だったのか。
「じゃ、ブリッジに戻りますね。ロックオンも休めるときに休んで下さい」
「あぁ、了解だ」
小さくなっていく背中を見送りながら、頭に余計なものが根を張ってしまったことを感じた。
こんなどうでもいいことを気にする必要なんてない。けれどいつのまにか頭の片隅に置かれてしまった疑問に、ライルは大きく溜息を吐いた。
それさえ楽しげに聞こえたけれど。



 

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