目を覚ますと見知らぬ場所にいた。
トレミーの自室のものではない天井。もしかしたらトレミーにもこういった場所があるのかもしれないけれど。
そもそもどうして眠ったんだっけ? シャワーを浴びた記憶もない。
「んっ……」
起き上がると身体中の関節が悲鳴をあげた。
「やっと起きたのかぁ」
聞き慣れない声に背筋がぞくりと震えた。
声のした方に顔を向ければ、まず目に入ったのが鮮やかな青色の髪。
(思い出した!)
断片的にだが空白だった記憶が戻ってくる。
十五時間以上の戦闘。マイスターのみんなを誰かが助けてくれた。正体不明のガンダム三機。
彼らがトレミーにやって来るということで、その間は出てきちゃ駄目、とスメラギさんに言われていた。
でもアレルヤ達が心配だったから部屋を出た。
ブリーフィングルームに行く途中、遭遇した青い髪の見知らぬ人。
(じゃあこの人がガンダムのパイロット……。ってことは、ここって、もしかしてトレミーじゃない?)
「お前ホント弱っちいな。殴っただけでぶっ倒れやがって」
「殴った?! 私殴られたの?!」
「うっせぇよ。気絶されて目の前でぷかぷか浮かれても目障りだぜ。そのまま放っとこうとも思ったけど後片付けはちゃんとしろって兄貴も煩ぇし」
そんな訳で、私はこの人に連れられてきたのか。
どうせならそのまま放って置いてほしかった。
わざわざこんなことしなくても良かったじゃないか。こんなの誘拐でしかない。
「私……トレミーに帰れるんでしょうか……?」
「はぁ? そんなことしんねーよ」
「うっ……!」
自分で連れてきておきながらずいぶん勝手な人だ。
しかし現在の私の生殺与奪はこの人のものだ。反抗的な態度はとれない。
これからのことをおもい、私は気付かれないようにこっそりと溜息を吐いた。

(そんな気遣い要らなかったのに!)





優しく摘まれたクローバー





 

 

 

 

 

 

 

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